驚きを感じなかった IFA2014 のソニー
年初の米国で開催されるCES、そしてドイツベルリンで開催されるIFA。CEATEC JAPANが衰退していく中、世界ではこの2つの家電見本市は非常に大きな意味を持っていますし、今後の家電業界の流れを見る上で非常に重要な位置付けになっています。
ここでの発表は全世界が注目するのは当然であり、そしてどれほどのアピールと驚きを世界に与えられるのか?がポイントだと私は思っています。
先日、その一つであるIFA 2014が開催されました。もちろんソニーも参加して発表を行っています。
数々の新製品やコンセプトモデルが発表されましたが、私は今年のソニーの発表に驚きはあまり感じませんでした。昨年のIFA2013は大きく期待が出来る内容でソニーの逆襲だ!復活だ!と大絶賛しましたが、その後資金ぶりが悪化しVAIO事業は切り離し、BRAVIAの分社化、不動産事業を始めるなど、ファンの期待とは真逆の方向に進まざるを得なかったと思います。その中で、どのような製品やコンセプトを発表するのか?心配しながらも期待していたのですが、蓋を開けてみると昨年の路線の延長のみで、VAIOが無い分更に驚きが少ない発表でした…
とは言ってもおもしろい商品も出てきましたので、発表された製品をざっーと私なりの感想を交えてご紹介したいと思います。
Xperia
VAIOを失い更にソニーの中心となったXperiaシリーズ。とは言っても途上国や成長国で苦戦を強いられており思うようにならない中、今回フラッグシップとして出てきたのがXperia Z3シリーズです。
Xperia Z3、コンパクトなXperia Z3 Compact、そしてタブレットの Xperia Z3 tablet Compact の3機種が発表された訳ですが、Xperia Z3、Z3 CompactはZ2やZ1 Compactよりさらに薄くそして軽く、スペックも順当に進化した感じです。
Zから続くオムニバランスデザインですが、ホワイトモデルがベゼルもすべてホワイトになって印象が大きく変わり、サイドの処理なども変更されてデザインとして雰囲気は結構変わりましたが、機能的にそれほど極端に進化を感じられるような点はあまり無かったように思います。
Z3 tablet Compact はiPad miniと同じインチサイズでほぼ同じカテゴリーになります。なんだか後出し感があって良い気分はしないですね… Z Ultraはその絶妙なサイズで一定の指示を得てきましたが果たしてZ3 tablet Compactはどうなるのでしょうか?
Xperiaが海外でうまくいっていないのはローエンド、ミドルクラスのモデルの売り方がおかしいのが原因で、サムスンのハイエンドのS5まで売れていないのとはちょっと話が違うと私は思っています。平井社長のインタビューを読むと、シェア取りだけには行かないとおっしゃっているので、大丈夫だとは思いますが、ソニーの強みを決して忘れないで欲しいと思います。
スマートウェア・ウェアラブルデバイス
ソニー以外の各社も力を入れているスマートウェア・ウェアラブルデバイス。今回、SmartWatch3とSmartBand Talk が発表されました。また、参考展示としてSmartEyeglassなども展示されていたようです。
ソニーはスマートウォッチは随分前から開発しており、先行している感はしますが、Android WearをGoogle本家が提供した事でその先行感は逆に薄れたような気もしています。
ただ、生活用品として扱われるため、防水・防塵と言うお得意の機能、そしてLifelogアプリでどれだけ海外メーカーに対して差別化と先進性をアピールできるのか?にかかっているのかも知れません。ただちょっとファッション性としては今回の2機種は微妙な気がしますね…
そうは言っても平井社長もファッション性は大事だとインタビューで答えられているので、今後改善されていくと期待しています。
レンズスタイルカメラ
レンズスタイルカメラそのものがキワモノでしたが、ILCE-QX1はさらに良い意味で変態仕様になりました。まさかEマウントレンズを付け替えることができるようになるとはかなり斜め上の発想で楽しそうな気分しかしません。
でも先代のQX100を利用している私が感じるのは生かすも殺すもWi-Fiとの連携によるアプリケーションのレスポンスが全てだと思います。アップデートでかなり良くはなりましたが、現状のQX100のレベルでは日常的に使うのはまだまだ根気が必要です。そこをEマウントレンズを付け替えてまで撮影する気持ちになれるのか?させてくれるレベルまで到達しているのか?とても気になります。
ハイレゾリューション・オーディオ
ウォークマンがついにAndroidベースではないモデルでもハイレゾ対応するようになったことや、ヘッドホン、ポータブルアンプなども順当に製品を増やしている印象でした。バランス型をポータブルアンプやヘッドホンに持ってくる辺りソニーらしい冒険心も感じとれました。
その他
日本では発売されていませんが、カーブした画面の4K BRAVIAが発表されました。でも、今回もやはり日本では発売されないようです。
Life Space UXなどをCESに続いて改めて発表され、より日常生活に溶け込んだ提案をしていくようです。
まとめ
「世界中の人々の好奇心を刺激し、感動をもたらす」というフィロソフィーのもと、ソニーならではのユーザー体験を提供する新商品群を発表しましたとプレスリリースでは書いてありましたが、発表された内容を振り返ると昨年からのテーマの堅実な進歩だと感じ取れる内容でインタビューを読んでも方向性にブレは無いと思いました。
ただ、冒頭でも書きましたが、驚きはなかったです。つまり、現状のコンセプトそれ以上のサプライズが無いと今の世界的な状況の中ではちょっとしんどいのではないかな?と思うところがあります。まとめると保守的でした。でも、冒険がしにくい状況であるのも最近のソニーを見ていると感じ取れるところもあって歯がゆいです…
そんな中、PS4の世界的なヒットはソニーにとって大きな意味がある事を改めて強く感じました。その割には日本での展開と開発スピードはややじれったい気分もありますが、PS4は現状に安心しないでどんどん挑戦し続けて欲しいと思います。Xperiaのみリモートプレイに対応する点などは現時点ではPS4を活かす強みの一つなのでしょうね。
驚きは少なかったと言っても欲しい商品は沢山発表されています。特に私はZ3 tablet Compactはすごく欲しいです。またヘッドホンはハイレゾではスタンダード機になりますが、MDR-1Aも良いですね。ウォークマンAシリーズ NWZ-A15も間違いなく購入するでしょう。何だかんだで今年もソニー製品沢山買いそうです。
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