84V型 4K対応BRAVIA の実機を見てきた。
ついに4K BRAVIA こと KD-84X9000が国内で発表されました。
ソニーファンとしてはこれは絶対に見ておかなければいけないと思い、ソニーストアに見に行ってきましたので、その感想を書きたいと思います。
※尚、当然の事ですが展示会場で見ただけではちゃんとした評価は出来ないと私は思っています。BRAVIAのレビューをする時は私はいつも同じようなソースでいつもの環境でじっくりとレビューしています。そうしなければ正しい比較など余程の人以外、人間の目で出来るはずが無いと思っているからです。
4K BRAVIA とは
まず、この4K BRAVIAとはどのようなものなのか簡単にご紹介したいと思います。
4Kとは3840x2160ドットとなるフルHD1920x1080ドットの縦横2倍、つまり4倍の解像度を持つ動画フォーマットの総称の事を言います。実は既に映画などではこの4Kで撮影されているものが多数で、一般に発売されているBlu-rayディスクなどはこれをフルHD解像度に落とし込んでいます。
高解像度のディスプレイが出てくると、決まって言われるのが、そんな解像度は不必要と言う言葉でしょう。しかし、iPhone4や新しいiPadのRetinaディスプレイが高く評価されているのは一体何故だと思います?それは、解像度が高くなることで密度が上がり、よりくっきりとにじみの無い表示が可能だからです。
しかし、新しいiPadをレビューした時にも書きましたが、綺麗な表示ができるのはフォントなどの大きくしても崩れない場合で、動画などでは破綻しているのが分かりました。それはそもそもこの世にほとんどフルHDを超える動画コンテンツが出回っていない事が原因です。
高画質エンジンとは
そこで、テレビを作っているメーカーは映像エンジンに力を入れて来ています。私はここが本当のテレビメーカーの実力の見せ所だと思っています。
地上デジタル放送が実はフルHDでは無かったり、(1440×1080)世に沢山溢れているDVD(DVDはSD720x480)を高解像、高画質化するために映像エンジンは家電好きには注目されていました。特にソニーは1997年以降、DRC(デジタル・リアリティー・クリエーション)と呼ばれる高画質化技術で他社に先立ち高画質化を実現し実力では圧倒してきました。このノウハウは現在のBRAVIAのハイエンド機種に搭載されているX-Reality PROや高い評価を受けているPS3のアップコンバートなどに受け継がれています。
そして今回この4K BRAVIA では4Kネイティブ処理を担当するチップである「XCA8-4K」が追加され3チップ構成となっています。
スペック
ここで、4K BRAVIA KD-84X9000のスペックをおさらいしたいと思います。
4K 液晶パネル 84V型 3840画素×2160画素
映像エンジン 4K X-Reality PRO
エッジ型LED部分駆動 ダイナミックエッジLED
倍速駆動 モーションフロー XR240
パッシブ方式の3D 偏光3Dグラスに変更
10ユニットライブスピーカーシステム ツィーター×2、ウーファー×4、サブウーファー×4、実用最大出力50W フルデジタルアンプ S-Master Clear Phaseテクノロジー S-Force フロントサラウンド3Dで仮想5.1ch
つまりただ単純に「パネルを高解像度にしました。」だけでは無いのです。
実機を見た感想
実際にソニーストアで4K BRAVIAを見たときは、不思議と思ったほど大きいと思いませんでした。展示場で見ると84Vでもそれほど大きく見えないのは不思議な感じです。展示スペースはあまり大きく取られておらず、画面と座席の間が1~2メートル程度と随分近く、目の前が全てスクリーン状態。これだけでも画質に自信があると感じました。
4K ネイティブが表示されているのを見ると、それはもう画面の緻密さは圧倒的で、これほど近くで見ても、荒さが全く分からないのは普通に凄いと感じました。
※写真はHX920
私がスペック的に気になっていたのはダイナミックエッジLEDとモーションフロー XR240でした。これはインテリジェントピークLEDを搭載し、モーションフローXR960のBRAVIA HX920やHX950に比べると劣る点です。その点を気にしながら見ていたのですが、モーションフローについてはやはり気になりました。私の感想では大型テレビであればあるほど倍速駆動は重要だと感じているのですが、これだけ至近距離で動きの早い映像を見ると、残像やチラツキは気になってしまいましたね。
ダイナミックエッジLEDはこれだけ大きいと直下型は無理なのでしょうか?4K REGZAは55型とはいえ直下型でしたので、やや残念な気もします。明るい展示場なので、黒の沈みなどは明確には比較できませんでしたが、黒浮きしているとかそのような事は感じませんでした。出来ればHX950の65型と比較したいところですが、まず無理ですね…
4K BRAVIAを見るに当たって最も気になっていた点はやはりアップコンバートです。ソニーストアではデモではネイティブの4Kの映像を流していましたが、BDなどのコンテンツの再生をお願いしてもらいました。
私の見た感想では映画などの元々4Kで撮影しているコンテンツはほとんど気にならないレベルでアップコンバート出来ていると感じました。さすがに4Kネイティブと比べると差を感じますが、84型で見ても荒さがほとんど気にならないのは、圧巻です。これは60型以上のフルHD液晶テレビには決して劣っているとは感じなかったです。
映画以外にも地デジやDreams Come Trueのライブ映像のBDなども見せて貰いました。これらは元々のソースが4Kで無い事もあるため、ドリカムのライブ映像だと背景の観客などに荒が見えたりしたのは事実ですが、それでも84型で4倍の解像度だと考えると、私の見た感じでは充分だと思いました。初号機でこれだけ表現できていれば、今後も期待できると思っています。
最後に音ですが普通に良かったです。昨今、BRAVIAも音に関してはあまり評価できない感じでしたが、とても迫力がありました。もっとも展示場での評価なので、細かい事は言えませんが映像とともに没入感はとてもあったのは事実です。
3Dも試したかったのですが、長い間座席を占有していたのでそこまでは試しませんでした。
まとめ
どうしていきなり84V型で出したのか?など私も色々と思う所もあります。REGZAが55型で100万切ってましたから。そう言う意味では4K初号機としてはかなり異質なモデルだと感じています。今後はパネルのサイズも落ちてくるでしょう。ソニーは大型有機ELや、クリスタルLEDテレビなどの開発もあると思いますが、何に転んでも根底にあるのはやはり映像エンジンです。そのエンジンの真価が問われ、もっとも効果が表れるのが4Kテレビだと私は思っています。
昨今、テレビ番組の内容が詰まらないと言うのはさておき、日本の家電産業が不振のため、テレビそのものがあまり良いように報道されていないと思います。4Kにして意味があるのか?とか4Kなんて技術の無駄遣いのような言われようです。その一方で、iPadのRetinaディスプレイを絶賛している始末。本当に無駄な技術なのか?テレビの真の力の見せ所はパネルだけなのか?自分の目で確かめてみて欲しいと思います。
私は今年もCEATEC JAPANに参加する予定です。そこでは東芝、シャープ…各社の4K テレビが試作機含めて出てくると思います。同じソースでも無ければ、環境も違うので一概に比較は出来ませんが、それぞれ良く見比べたいと思います。
漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち
- 作者: 西田 宗千佳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
SONY BRAVIA 40V型 LED 液晶テレビ 3D対応 ブラビア HX850 KDL-40HX850
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: エレクトロニクス
SONY BRAVIA 40V型 LED 液晶テレビ 3D対応 ブラビア HX750 KDL-40HX750
- 出版社/メーカー: ソニー
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